ハフリーヌの書棚

読書日記、短歌と愛蔵の品々

つれづれの朗詠

4月も後半に入ってきたので、ここ1ヶ月間に詠んだ歌を並べて置く。



 夜半(よは)の雨春の嵐も遠のきて咲き誇りたる白梅の花


 寒き雨うたれて散るや白梅の花の香とどむ細き枝先


 白梅にふれる雨なり柔らかくその枝先に名残かをりて 


 雨の音聞きて眺むる早咲きの桜も咲きしこの窓の外


 静かなる雨に散りては花びらの模様描かるその石畳


 ベンガラの万年筆の軸持ちてたうたうとした雨だれを聞く


 荒ぶりて我が心にも三月の花乱舞する強き風吹く


 穏やかな春の日差しにほのかにも杏の花や色そめにけり


 その花のかをり届けよ天つ風をとめごたちの門出なりせば


 日本国憲法ごと國滅び滅びた後の平和万歳?


 わが窓の外に眺むるさくらばな舞ふ花飾るその石畳


 花ざかる日永なりせど銀杏(いちゃう)にもその枝先に若芽萌ゆらむ


 観世音菩薩の御手の金椀(かなまり)に幾重にも盛る銀の削氷(けづりひ)


 春雨に流る花びらおもしろく模様描きし玉砂利の上


 天鵞絨(ビロード)の舌にて君が切り取りし闇の逢瀬の記憶やいづこ 


 春なりし華やぐ人と街へ行かう私に似合ふリボンを買ひに


 幽冥界(かくりよ)の桜滴るその絵筆広げし絹に何を描かむ


 懐かしきこの欠片には星々の銀の滴がいまも脈打つ